ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

むむ、じゃあ僕は疑惑のマッカーサー道路で。

追記: ちょっと移動。ちなみに何で疑惑かというと、別にマッカーサーのために計画されたわけではないだろうという話(当時GHQはむしろ都市計画に否定的だったそうな)。


私は三十年もの間 都市計晝のお話しを しつゞけてきました
私は世の中でこんな大切な こんな面白いお話しは ないものだと思ってゐます
然し結局大人はダメでした 大人の耳は木の耳 大人の心臓は木の心臓です
そして大人は第一 美しい夢を見る方法を 知りません
夢のない人に 都市のお話しをしたつて ムダな事です

終戦直後の東京再建計画に着手した石川栄耀の、理想と挫折の話を聞いて、それから家に帰ってこんな話を聞いて、かなしくなってしまったわけだ。この世代の子供たちは「美しい夢」を見られる時期に…かわいそうだな。しかし世代別の不遇ぶりを定量的に判断することもできないだろうしな。amen.

それはさておき、石川=都市計画の推進者の視点では、もちろん収用≒善、抵抗≒悪となりがちではあるけど、土地所有権の安定と都市計画の実現による利益の天秤はそれなりに問題になるはずだ。もっとも、都市計画は(クリエイティブコモンズではないが)数十年単位でありうるもので、60年以上前の都市計画がまだ生きているなんておかしい、という主張は、それ自体失当だということは間違いなさそうだ。

所有権と公共福祉制約の関連では、僕の代理母関係のエントリでたびたび登場した吉田邦彦の別の論文集「多文化時代と所有・居住福祉・補償問題」が興味深いのだけど、例によって高価な書籍なのでおいそれと買う気にはなかなかなれない。

追記: 1946年に制作された都市計画のプロモーションビデオ。全部で約30分。