ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

今日は前にも書いたとおり、thinkcopyrightの3回目に参加してきた。結論から言えば、総統の独壇場だったと言って良い。以下手持ちのメモと記憶からさらに端折ってまとめ。表現は適当に翻訳済。I=伊藤, KNN=神田, KB=久保, S=白田

  • I: 最近のクリエイター学生は絵チャットからインスパイアされていて、模倣の原点が何であるかも分からない
  • KNN: 子供向けにドラえもん著作権フリーにしてくれい
  • KB: 創作者は天才であり、嫌な二次創作を見たら書かなくなることもあって損失だ。今日の問題はぜんぶ技術的に解決できる過渡的なものだし、現状維持で十分。
  • S: プロ作家なんてのはお互いに褒め合って作られた幻想で、単なる確率の問題。だから、潜在的な作家は多い方が良い。
  • I: 私も現状維持でイイと思う*1
  • S: あいまいな基準で言論の自由を制限しちゃダメでしょ*2。利用者と創作者の意思疎通が出来ないのだから、権利を制限する方向で進めるより他にない。
  • KB: じゃあ法改正してみろよ
  • S: 誰もついてきてくれない。茶会員にまでかまってもらえない。ぐちぐち

この辺で質疑応答。最初の人が(誰とは言わないが*3)「過激だから誰もついていかないんでしょ。学会では独仏系の人権論が主流じゃないですか」と皮肉ったのだけど…

  • S: 過激? はいそうです。そんなのはね、分かってて言ってるに決まってるじゃないですか。ワタシは研究論文で独仏より先に英体系があったことを書いた。学会の趨勢に逆行していても、自分が5年かけて出した結論が正しくて、彼らが間違ってると確信しているのだから、自分で積極的にバランスをとりにいっているのだ。自分が正しいと思っていることを、周りが違うって言っているからって引っ込めるのが、学者の態度ですか。

途中で何度か拍手が上がっていたが、この最後の回答の時の拍手が一番大きかった*4。というより、パネルトーク中の拍手はこの間だけだった。

のっけから過激で「やばい」んじゃないかと思っていたが、どうも彼のペースにのまれていたような雰囲気だった。実のところそんなに楽しい話になることは期待してはいなかったのだけど、総統は公開トークもすげえということが分かった。

って、読み返してみると先刻の面白さがほとんど書けてないなあ。まあ、誰か書くでしょう、きっと。

追記: id:inflorescencia:20070616 が細かくまとめられていてGJです。とはいえ、これは検閲済みの内容なので、やはりあの面白さは現場からでないと伝えられないな w

追記2: ホントに誰かが書いたよ。これは拍手。おすすめ。http://anond.hatelabo.jp/20070617215938

追記3: cnetの書き方がビミョーなので(はてブでも指摘されている)異常な感想をいだいた人間もいるみたいだけど、常識で考えれば、関心のある人間だらけの討論会でそんな言説にツッコミが入らないわけがないだろうに*5。白田氏がこの方面にどれだけ明るいかは、hotwiredのコラムなんかを読んでみればすぐ分かるはず。

追記4: 思い出した。皮肉ってた質問者はあの長塚真琴氏だ。キャンディ・キャンディ事件で、いがらしゆみこ嫌いの多い中で判決支持の(僕の中では「まともな」*6)立場を示した学者である。著作権法の事件って、素人は関係当事者の好き嫌いで判例への態度を決めたりする、非常に危うい学問だと考えさせられた事件であった。当該質問も、同氏なりに白田氏の立場を気にかけての進言のつもりだったのかもしれない。

*1:だいぶ意味が違うようだったけど

*2:「明白かつ現在の危険」の話。日本人には「今そこにある危機」って言わないと通用しないかね。

*3:忘れた

*4:僕の見る/知る限り、茶会員がサクラでやっていたわけではないw

*5:このエントリを書いた人物が非難している「参加者」としてこの点は明確にしておきたい

*6:本判決に関する立場に関する評価にとどまるものであり、それ以上は知り及ぶところではない。