ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

刑法 on wikipedia

何となくwikipedia刑法カテゴリの項目を眺めて時間を費してしまった。

まだまだ激しく足りないはずだが、知的財産諸法に比べてずいぶん細かくまとめられているみたいで素晴らしい。気になった点があるとしたら、これは記述方針なのだろうけど、学説のソースが存在しないことだろうか。多くは学者の大まかな主張に基づいて分類することができるし、昔の名残なのか現代の潮流なのかを知ることもできる。しかし素晴らしいです。

普通、ゼミ発表を担当する学生とか院生とか受験生でもない限り、自分の先生以外の学説なんて勉強しないと思うのだけど(受験生は微妙かな。団藤大塚に決め打ちにして勉強した方が受かりやすいって話もあるし…)、こういう場所に記事として載っていると、対立する議論があっても一方的に書かれたままになることが少ないだろうし、偏ったままの知識で卒業することもないだろうと思う。

この辺を読むと面白いかもしれない、っていうのをいくつか挙げてみます:

故意ある道具っていう言葉は何か新鮮。僕らは逆に何か悪さをした時に「いや僕はXさんの道具ですから」っていうのをよく使ってたけど、これは故意無き道具っていう意味だった。

ていうか外患罪とか強姦罪とか、全然論点にならない項目が細かすぎ(w マニアックだなあ…普通177条といったら死傷結果に故意ある場合を含む・含まないっていう辺りで181/199/204各条との観念的競合が重要なんじゃないか?

まだ財産犯とか偽造罪とか客観的構成要件とかに関する項目は書くべきことがたくさんありそう。気が向いたら何か書いてみようかなあ。

ちなみに学者名から学問の流派を辿ることもできる(こういうある意味下世話な情報は教科書類には載っていないので有用だ)。自分の先生の名前まで載っててちょっとびっくり。細かいですなあ。