ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

共謀共同正犯

exciteブログで中山研一(ええと、以下全部〜教授みたいな敬称は全部略の方向で)を見つけてちっとびっくりした。いや、僕は不勉強なんで氏の議論は何も知らないのですが…刑法学者でおもてに何か書いてるのはサイバー法の園田くらいかと思ってた。この辺とか深く頷けるものがありますな。2chにこのブログ(片仮名)のスレ?まであって、前田批判?とか書かれてるのを見てちっと笑った。いや、笑ったけど禿同です。

まあそれは前フリで、実際には木村龜二の龜ってJISに入ってるんだねえと感心した話最近話題の共謀罪まわりの話を何か書こうと思っていたのだけど、とりあえず思いついたことが共謀共同正犯のことしかない(まー、それで↑のエントリに深く頷いていたわけです)。学説は概ね反対であるにもかかわらず(まー僕は共謀共同正犯支持説を聞きながら育ったわけですがね)、判例ではずっと採用されているもので、共謀罪を創設しようという動きとは非常に近いものがあります。ていうか支持説って結果無価値と見られているルートの分派なのか? 平野・大谷(この人は今は違うけど)・前田(結果無価値論者と言われているが実質的に…)いずれも共謀共同正犯支持者だったとは知りませんでした。

共謀共同正犯論ってオウム事件の時にすげー騒がれて、なあなあで受け容れられちゃった側面がけっこう強いと思う。共謀共同正犯論に反対したら、お前はオウム支持者か、みたいなことを、たとえばゼミのレベルでは言われたりするわけです。と思う(もちろん共同正犯ではなく教唆犯として十分に殺人をはじめ各罪について刑を減免するのみで足りるのだけど、あえて正犯として立件するのが検察側のやり方だったりする。最近も似たような事例があったでしょう。詐欺罪でたりるところを著作権法違反にしてみたりとか)。多分自分の居たゼミでも共謀共同正犯はやったけどもう覚えてないや。

とりあえず共謀罪って、まともに考えて通わきゃーないと思ってたので、最近になってこんなに騒がれるようになるまで、ろくすっぽ気にしていませんでした。もうちょっと表面だけでも押さえとかんとなあ。

ええと、法制審議会も匿名でしか議論を公開できないのでしょうか。厳罰化っていうのは清く正しい社会を実現するためにするものだと思っていたのですが。

補足: このエントリは共謀共同正犯と共謀罪を比較するためのものではないのだけど、共謀共同正犯より共謀罪の方が構成要件が大幅に緩いことは注意すべきである。