Sun Mycrosystems 「オープンな技術標準のチェックリスト」
重要な文章なので以下和訳。ある程度意図的にくせのある和訳にしているので、気になる箇所があればコメントしてください。
「オープンな技術標準のチェックリスト」この オープンな技術標準 のチェックリストでは、相互運用のために必須である、技術的な、ビジネス的な、そして法的な要素について検討する。この競争促進的な 基準 によって、開かれている関与が保障され、複数の競合する実装が市場競争を活性化させるような環境が作り出され、また知的財産の保有者には、その権利を保持しつつ協調を促進されるような安全性の高い環境が与えられる。その結実こそが真のオープンな技術標準なのである。
ある技術仕様が真にオープンな標準であるか否かを決定するためには、二つの領域が同程度に重要である: その作成および運用、そしてその使用実態、である。
オープンな標準の作成および運用
- その開発および運用のプロセスは、協調に基づくものであり、かつ民主的なものでなければならない。
- 希望していて、かつその開発運用組織によって定められた合理的な基準を満たしている全ての者が参加可能でなければならない。
- そのプロセスは文書化されなければならず、全ての参加者からの意見を反映した上で、公知の手順に基づいてのみ変更されなければならない。
- そのプロセスは、知的財産権の開示そして許諾を示す、正式で拘束力のある宣誓に基づかなければならない。
- 開発および運用においては、同意のために努力し、アピールのプロセスは明確に識別できなければならない。(訳注: これは誤訳だと思う: "Development and management should strive for consensus, and an appeals process must be clearly outlined." が原文)
- その標準仕様は、幅広いパブリックレビューのために、少なくともそのライフサイクルの1周期の間はオープンであり、コメントに基づいて正式に議論され、必要であればそれが影響力を有しなければならない。
オープンな標準の使用実態およびライセンシング
- その標準は、実装ではなくインターフェースを記述するものでなければならない。そして業界において、その標準の記述するインターフェースを、不適切あるいは制限的な環境に依ることなく実装できることが必要である。インターフェースには、API、プロトコル、スキーマ、データフォーマットそしてそのエンコーディングが含まれる。
- その標準には、技術的あるいは経済的な障壁を作出する、いかなるプロプラエタリな「罠」もあってはならない。
- その標準の誠実な実装には相互運用性が無ければならない。相互運用とは、他のコンピュータ プログラムと情報の通信および交換を行い、その交換された情報を相互に使用するための能力である。これには、そのコンピュータ プログラムが他のコンピュータ プログラムと協調動作することを可能にし、ユーザーが機能すると期待する全ての方法において、使用、変換、あるいはファイルフォーマット、プロトコル、スキーマ、インターフェース情報あるいはコンベンションの交換を可能にする能力が含まれる。
- それは、名目上の料金あるいは無償にて、いかなる人についても複製、頒布および読了することを許諾していなければならない。もし有償であれば、それは広範な使用に耐えうる低価格でなければならない。
- その標準に基づく製品の作成、使用および販売にかかる、全ての本質的特許の請求事項について、いかなる者も自由に(ロイヤリティや料金なしで、すなわち「ロイヤリティフリーで」)、全世界において、非排他的に入手可能な、永久的なライセンスがなければならない。唯一の例外は、以下で定義する、相互主義に基づく防衛的な許諾の終了である。本質的特許の請求事項には、手続中のもの、未公開特許、公開特許、そして特許出願が含まれる。そのライセンスの要求範囲は、問題となっている標準に関与する部分のみとする。
- そのオープンな標準にかかるライセンス条項は、オープンソースライセンス条項に基づく実装について、排斥してはならず、ライセンスが限定的になってもならない。
Sunから?いちいち許諾はもらっていないので、万が一公開差止請求されたら消します。ていうかSunで和訳して出してくれれば、それが一番良いと思う。
ってよく見たら9月の文書じゃん。既に和訳されていそうだ。
ちなみにこの文書で主に重要なのは、標準化プロセスに関する言及。OpenXMLに関して特許の問題は少なくとも最重要事項ではない、ということは1年ほど前に書いたし、実際MicrosoftはOpen XMLをOpen Specification Promisesの対象にしてきた。もっとも、競争相手は旧バージョンのOfficeからOpenDocument、あるいは適切なHTMLページへと、着実にシフトしてきているようだ。