ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

アナロジー・解

この前のクイズはハノイの塔です。なんか早々に看破されていたみたいだけど。例のthe stuff of thoughtsの続く一節より

これは「ハノイの塔」の同形体の問題であり、同じステップに還元することができる(主人が左の棒、年配者が真ん中、若者が右の棒と考え、三つの作業は三つの円盤で、一番下が詩の吟唱と考えればいい)。ところが実際には、こちらの問題のほうがハノイの塔よりはるかにむずかしく感じられる。人は頭の中でX線さながらに抽象概念の骨組みを見抜くのではないかという期待とは裏腹に、人びとはたとえ同形体の問題でも難度に大きな差があると感じ、手取り足取り教えない限り、一つの問題の解決法を容易に別の問題に応用することはできない。

コマネチ大学なんかを見ていると、出題された設問を学者が数学の問題に還元している場面がよく出てくるけど、あれは全く簡単ではないということだな。

ちなみにPinkerの議論は、メタファーはアナロジー(類推)であるときに限って思考を補助するのではないか、みたいな話で、このクイズとは直接は関係しないのだけど、アナロジーは個人の経験に依存して作られることが多いというので、(上記の通り)作るより類推する方が難しいことも併せれば、仮想世界での儀式がハノイの塔に結びつかないのはまあごく自然なことだと言えそうだ。