ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

AppleがToS section 3.3.1 / 3.3.2 / 3.3.9を変更

わたしが今度Appleのネタを書くとしたら、購入してからわずか17ヶ月でMacbook Whiteが自宅で発火事故を起こして電源系統が完全に故障して、AppleStoreに持って行ったらほぼ完全にApple側が自社側の問題であると認めたにもかかわらず修理代4万円以上と言ってきたことに完全に立腹して、金輪際Appleの製品は買わないと決めた、という話になる予定だったのだけど、それと同じくらい驚いたニュースがあったのでそれを書こうと思う。

AppleがそのApp Storeの反競争的なterms of serviceであった§3.3.1, §3.3.2, §3.3.9を書き換えて条件を緩和するらしい。
http://www.apple.com/pr/library/2010/09/09statement.html

実のところ、MonoTouchやUnityのアプリケーションは平然とApp Storeからリリースされ続けていたので、この規約の変更で影響をうけることは何も無い。しかしAdobeのCS5から追加されたiPhoneアプリケーション作成機能によって作られたアプリが、少なくとも以前の規約を口実には、市場から不正に締め出されることはなくなったと言える。

新しい規約は、Appleによれば、要約すれば「ダウンロードして実行されるコード」でない限りは認める、ということなので、相変わらずWeb上のFlashを見ることはできない。(とは言ってもsmokescreenを使ってFlashのサイトをHTML5ベースのページに変換したら見えるところもそれなりにあるだろうな。)

ちなみに、今回の規約の変更は、System.Reflection.Emitに基づく動的コード生成も出来るようになった、ということを意味しない。MonoTouchハカーが説明しているが、iOS上では、アプリケーションが書き換え可能なメモリ上にあるデータを、CPUが命令として解釈して実行することが、アーキテクチャ的に許されないそうだ。従って、id:atsushieno:20100827:p1にも書いた話だけど、MonoDroidのようにDLRが動作する可能性は、MonoTouchには全く無い。

追記: これはLuaのようなインタープリタ環境で動作していたアプリケーションとは別の制約だ(現にそれまで動作していたわけで)。これは純粋に先の規約の関係で排除される立場にあったと言える(実際にrejectされていたかどうかは知らないけど)。

いずれにしても、Appleが反競争的行為から足を洗う大きな一歩を踏み出したことを、高く評価したい。