ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

WPF/E on Linux

AvalonのサブセットがLinuxでも動く予定であるという。面白い話である追記:「クロスプラットフォーム」にLinuxは含まれないようです。コメント欄参照


Microsoft.NETとLinux上のMonoは全く別の生態系にあり、特にLinux上ではMicrosoftには超えられない壁があるので、Monoが影響を受けることは考えられない。(厳密には、osnews等で騒ぐ者が出てきて、無駄に踊らされる者が出てくるという話はある。)

まず、フリーでないため、通常のフリーLinux distroでは標準でインストールされていないこと自体が不便であるという問題がある。これ自体は、私見としてはさほど重要ではないところであるが、「MediaPlayerの無いWindowsなんて不便だ」と主張してきた者が、「WPF/Eは標準でOSに含まれないから不便だ」という主張に反論できるとは考えにくい。

より重要なのは、Linuxではソフトウェアパッケージというのは依存性解決の世界なのであるということ。MonoベースのアプリケーションはMonoに依存する(Marshalの違い等を想起すべし)。

Mono自体は、既にOpenSUSEがそうであるように、もはや外せないコンポーネントとなっている。特に10.1はBeagle, Banshee, Tomboy等「外そうと思えば外せる」ものに加え、Red Carpetを発展させたzyppをサポートするzmd等パッケージインストーラなどもMonoベースで実装されている。

ちなみにOpenSUSE 10.1というとやはりXglを試してみたいところだが、手元の環境ではVGAが対応していない。beta8ではGNOME Control Centerから簡単に設定できるようになっているのだが、個人的に未来形の楽しみのひとつである。

追記: 念のために書いておくと、MS.NETの生態系とMonoの生態系が異なることは、別に.NETアプリケーションをMonoに移植してLinux環境が便利になるという側面を「無視」しているだけであって、別に「否定」しているわけではない。ただ、現状、有益な.NETアプリケーションは、特に日本においては、ほとんどが企業内しかもサーバ用がほとんどなので、migrationの「実質的な」メリットはあまり無いと僕は思っている*1

*1:ただ、.NETどっぷりな開発者を「こちら側」に引きつけることができるというメリットはあるし、Miguelの主要なプロジェクトの方向性決定はその辺にあるのではないかと僕は理解している