ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

session end

Moglenとのやり取りは、「GPLv3に関するコメントは策定プロセスの方で」という向こう側の宣言によって終わった。実のところ僕も連休が終わりかけだったので、延々と議論する余裕は無かったのでちょうど良い。

現行GPLv3に加えてNovell排斥条項を追加する理由については、この契約はFLOSSの世界に受容できないリスクを持ち込むモラルハザードである、という説明しか出てこなかった。そのリスクってのは、協定で問題がなくなったと考えている愚かな開発者自身の問題のことであって、それは今回のような協定をGPLに基づいて排斥する正当な理由にはならない、と僕は説明していたのだけど、どうも行為無価値論者には結果無価値論が通じていないのか、それとも単に僕のEngrishが通じていないのか。

排斥条項はオープンソース保険のビジネスを阻害することになるんじゃないの?という質問に対しては、彼らは配布しているわけではないから問題ない、という回答が来ている。そんなナイーブな違いを見出してどうするよ…「オープンソース保険のビジネスに際しては、保証するパッケージに証明書を貼るなどの行為は行ってはいけません」*1、とでも書くことになるのかね。

それに、モラルハザードだから禁止するんだ、っていう立場なら、conveyの有無ごときで非難するかしないかを区別できるとは考えられない。Moglenの立場を言い換えるなら、オープンソース保険はモラルハザードであるが、conveyしていないのでGPLで防ぐことはできないのだ、と言っているようなものだ。まだGPLv3は完成してもいないのに。

コメントを送ろうという気はあまり起こらない。彼らが僕の結果無価値論的コメントを受け容れるとは思えないので。とりあえず僕は問題を指摘したのだから、やることはやった。

GPL v3の議論の策定プロセスは、あのXML Schema 1.0の策定プロセスを想起させる。

Red HatがOSRMを買収したらNovellと同じ立場に置かれるわけだ。

*1:自らの手を経由してconveyすればこの排斥条項に抵触するため。