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- 作者: ジョセフ・E.スティグリッツ,Joseph E. Stiglitz,楡井浩一
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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ノーベル経済学者スティグリッツのglobalization and its discontentsの続編である。原題はmaking globalization workだが、和訳は↑の通りになるようだ。内容的には、邦題が示唆する通りで、特にアメリカの自己中心的グローバリズムに対する論理的な批判がほとんどである。
まだ読み終えていないのだけど、徹夜明けの帰り道で第4章を読んでいて目が覚めた。アンチソフトウェア特許派にしばしば見られる「ソフトウェア特許はいかん」みたいな腰の引けた議論ではなく、特許が効率性の低下を招いていると指摘し、具体的な説明として、特許技術へのほぼ意味のない迂回にかかる膨大なコストなどを挙げている。もちろん、本章の趣旨は知的財産制度の解説ではなく、先進国というかアメリカが知的財産権の強化を途上国に強制することで、いかに不均衡な利益を得てきたかということを事細かに説明していることにあるのだけど。
全体的に平易な書き方でまとめられているので、(僕みたいな)素人でも一読する価値がある。ちなみにAmazonで「この本を買った人は、こんな本も買っています」のところに「フラット化する社会」が出ているのには笑ってしまった(第2章には「世界は逆フラット化している」というセクションがある)。