延長問題フォーラムの5回目に行ってきた
http://thinkcopyright.org/resume_talk05.html
保護期間の延長問題を考えるフォーラムのシンポジウムに第2部からではあるけど参加してきた。行く途中で何か体調を崩したみたいで今も寝込んでいるのだけど…会場で鼻ずるずるしてたのはワタクシですゴメンナサイ。
で実のところ今回の第2部の内容はthinkCのサイトで事前に置いてあったレポートに沿っているので、以下にショートバージョンだけ書いておこうと思う。第3部は真面目に体調が悪くなってフリートークはまとめられなかった…
最初は朝日be編集部の丹治氏の話。
- 保護期間延長が出版にもたらす影響
- 死後も書籍発行された「著者」は全体の 50% / 「書籍」は 23%
- さらにその上位1%の「著者」が総「書籍」点数の50%を寡占
- だから、保護期間延長で生じるメリットは、寡占している人間だけのもの
- PD化によるメリット
- 出版社にとっては10%程度の印税分のみが軽減。残りのコストは変わらない。
- インターネット時代には、これがほぼゼロになる
三菱UFJリサーチ太下氏の話。
東京大学大学院情報学環の酒井氏の話。
情報セキュリティ大学院大学の林氏の話。
- 無方式主義の問題点 → dマークの話(ほぼ同時期にCCが登場)
- 登録データベースと許諾データベースは別物である。許諾データベースを登録データベースで共用できる。ただし許諾業務はアンバンドルする必要がある
- ベルヌ条約に変わる東京条約を創設してはどうか
全般的に言えるのは、安念教授の率直すぎるコメントが会場を沸かせていたということだろうか。保護期間延長は寡占という経済法上の無価値*2をもたらすものであると同時に、経済学上もマイナスであるということが証明されたようだ。
追記: ユカタンの記事が出ている。でも「私物化」は「独占」とは意味が違うと思うなあ…細かいとこだけど。
*1:ここで糾弾されているのはねらーであることに注意。id:atsushieno:20051001とほぼ同旨
*2:法学の世界では無価値とは「悪」みたいな意味。行為無価値、結果無価値などの用語はここから来ている。