ジュリストNo.1361の電子取引の記事がおもしろい
ジュリストNo.1361は「ユビキタス社会と法」という特集が組まれていて、みゃう的には総務省の岡村信悟氏がまとめたケータイフィルタリングの話のまとめ方を見て頷いたり、上野達弘教授の著作権法の話を見て頷いたりするわけだけど、個人的に面白いなと思ったのは大垣尚司教授の電子商取引に関する記事だった。どんな内容か、それぞれ短くまとめてみると…
- いつでも
- C2C取引: 両者がエンドユーザであることで潜在的に生じる問題。申込を申込の誘引とみなす必要もありうる。
- エージェントの利用: 自動発注システムが登場したが、バグなどがあった場合など、直接取引と同様に判断すべきか、見直す必要がある。
- 24時間金融サービス: 夜間の即時取引などでは、一物二価の状態が生じる。取引システムを取引所扱いする必要もあるかもしれない。
- どこでも
- 不思慮の抗弁: ケータイなどを経由するとどんな状況下でも契約が成立しうるが、態様によってはクーリングオフの導入などが必要ではないか。
- クロスボーダー取引: 国際的な契約が簡単に締結されるようになったが、国際私法はそんなに簡単ではないので、わかりやすい国際取引ルールが必要になりうる。
- 誰でも
…途中で眠くなってきたので(寝る前に書いているので)切り上げるが、他にもハンコの電子化(証明方法の変更)、主観財の増加、疑似通貨など、さまざまな新しい問題を広く浅くわかりやすく*2列挙したもので、たいへん興味深く読むことが出来た。「いつでも」「どこでも」「誰でも」「何でも」というカテゴライズも上手い。この教授については、今まで一度も文献等を読んだことが無かったのだけど、今回の記事で興味をもった。