ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

C# / CLI under MS Community Promise

別にあえて書くこともそんなに無いはずだけど一応。

http://sourceforge.jp/magazine/09/07/08/0321248

C#CLIについてはMicrosoftが特許を保有しているからどうの、っていうflamatoryは、最近になってRichard Stallmanが騒ぎ出した以前から、一部で行われていたことは今更言うまでもない。で、その直後にMSからCommunity Promiseの発表である。この件はもちろんほんの1週間ちょっとで決まった話ではなく、前々からあったことで、RMSが騒ぎ出したことはきっかけですらない。RMSにとっては実にタイミングが悪かったというべきだろうか。あ、RMSのおかげでMSが動いたと勘違いしてもらえるなら、それはそれでプラスなのかな。まあ、それは割とどうでもいい。

でも、今回の発表に関しては、一部のアンチが言いがかりをつけられなくなったこと以外では、実質的には何の変わりもない。monoをCLIの範囲だけに限定したものというのは、うちのチームでは、もともとランタイム開発やmoonlight開発で必要になると言われてきたもので、これは本件に関する特別な作業の発生を意味するものではない。そして既に声明を発表してきたUbuntuDebianその他のdistroでは、声明通り(これまでと変わらず)従来と同じmono(全部)を配布し続けるだろう。OpenSUSEは言うに及ばず。

それより重要なのは、これはRMSフリーソフトウェア陣営の敗北を意味するのではない、むしろ勝利を意味している、ということだ。MS CPはOSPに比べると理想に及ばないが、実質的にはともかく論理上は潜在していた特許の脅威がひとつ崩れるというのは、一歩前進である。特許がどうのなんて言っている連中は煩いだけだから無視しようぜ、みたいに吹聴している人間がいたらそれこそがわれわれの敵だ。(いや、ホントにそう言っている奴は今回見ていないけど。)

まあ、そもそも、いま特許をたてにソフトウェア産業の発展を阻害している企業って、MicrosoftよりむしろAppleとかでしょう。もちろんMSだって一枚岩ではなく、抵抗勢力みたいなセクタもあるだろうけど。