ものがたり(旧)

atsushieno.hatenablog.com に続く

先進ユーザーについての個人的見解

MIAUに対する反応は数多く見られるけど、特に僕が興味深く読んだのはこれ。
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20071022/miau

まあ以下は、全部僕が他の誰に確認したわけでもない個人的な理解だけど。

インターネット先進ユーザーとは、偏見に満ちた表現をすると2%の加入者で帯域の9割以上を専有している迷惑な奴らであって、政府にとっても事業者にとっても決して多数派ではない。多数派とはWinnyはインストールが面倒だし情報漏洩が云々とニュースに出たのが怖くて使うのを止め、Youtubeやニコ動は合法だろうが違法だろうが気にせずに使い、DRMが云々といわれても「はぁ?」という連中だ。

僕らがイメージしている先進ユーザーというのは、むしろ位置付けとしてはこの「多数派」(でPCやケータイでメールくらいしか見られないのが多分先進的でないユーザー)の中で、その使い方を心得ている連中である。僕らは別にWinnyユーザーやネット廃人を代表する団体ではない*1し、またEFF的なネットの自由を守る「先鋭部隊」でもない(いい意味で)のではないかと思っている。これは詳しく書く前にもうひとつ。

一方でダウンロード違法化の問題から手を付けたことについては些か失望したし、自分としては参加し難く、応援し難くなった気もする。それは地デジや著作権期間延長の問題と比べて、ダウンロード違法化の問題は立場によって意見が分かれ主張の正統性が微妙だからだ。

後段は認識としては全くその通りで、パブリックコメントにどうネットユーザーの皆さんに向き合ってもらうか、MIAUの活動として多少苦心している部分でもある。MIAUの発起人11人で意見をまとめることに腐心しているという意味ではない。「意見集約団体」としてのMIAUが、実際にただ我々の意見を押しつけるというのでは、(まあそれでも啓蒙団体として上から目線で存続しても良いのだが)幅広い支持を得られる団体ではなくなってしまう、ということを懸念しているのである。

とはいえ、これはダウンロード違法化への反対意思表明という「既定路線」的な目先の活動方針と、矛盾するものではない。id:copyright:20070929:p1 のアンケート結果を見ると、ネットユーザーというものは、概ねこの「ダウンロード違法化」に反対であるということが分かる。MIAUの活動は、各自バラバラな立ち位置に基づくとしても、できるだけ多くのネットユーザーの声を、政治*2に反映させていくことで、自ずと達成できるものだと言えるのである。それを簡単にすることをMIAUでは実現したいし、MIAUを待たなくても自分の声は政治に伝えるという意気が既にある人は是非実行してもらいたいと思う。

先鋭的な主張は、どんどん紹介したいが、その立場「の」代弁者になるというよりは、多数のユーザーに、できるだけ先進ユーザーとしての理想的な立ち位置を伝えて、動き出してくれた結果を代表するというのが望ましいし、そうであれば政治にもフィードバックしやすいと僕は思う。

*1:僕自身ファイル交換と言えばtorrentクライアントであり、Winny使うこともニコ動見る事もない、みたいなレベルだ

*2:これは本件パブリックコメントを募集している文化審議会だけを対象としているとは限らない